第1話は老舗旅館「西乃屋」を舞台に祖父にコンプレックスを持つ父親がゴルフ場経営に手を出し失敗。2〜3話は玩具メーカーの創業者の母と息子の確執、4〜6話が同族経営ではないものの「家族経営」を打ち出し、松下幸之助・松下電産を思わせる大空電機が舞台。
同族経営が悪いわけじゃない、日本でも松下とかトヨタは適度に距離感を持って成功しているし海外でも同族会社はたくさんあるけど、日本の古い経営を同族会社に代表させ、それらをアメリカ的経営を象徴するホライズンファンドが買収していくのがこのドラマの基本構図。
経営資源の三要素は昔から「ヒト・モノ・カネ」で近年になってそれに「情報」が加わりました。ホライズンファンドのやり方は情報をつかむことにより優位に立ち、カネを集めてヒト・モノを買収し、それらを効率化することにより利ざやを稼ぐというものです。
5話まではその論理が通用したのですが、最終話で示されたのはモノとしての大空電機はカネで買収できてもヒトは必ずしもそうじゃない。ヒトはカネでもある程度までは動くけど、それだけじゃない。鷲津(大森南朋)、芝野(柴田恭兵)が手を組み、それに鷲津のかつての部下たち、由香(栗山千明)を通じて三島製作所、技術者の加藤(田中泯)、それにやっぱりカネしか考えてなさそうなMGS銀行・飯島(中尾彬)まで、いままでバラバラの方向を向いていて一部敵対していた関係者がそれぞれの思惑はあるにせよ一つの方向に向かって戦うという王道な展開。
カネでたいていのものは買えるけど、カネで買えないヒトのつながり、その大元はいわば「志」ですかね、が重要だという最終回でした。「会社は誰のものか」という問題に対する古い日本流でもアメリカ流でもない一つの回答ですね。
ただ、ちょっと不満だったのは企業側の論理で終わってしまったこと。企業に関わる利害関係者・ステークホルダーというのがあります。投資家、債権者、取引先、従業員、消費者、社会などですが『ハゲタカ』では前の方については語られても後の消費者、社会について触れられていません。消費者、社会に存在が望まれてこそ企業は存立するんだから、大空電機カメラがなくなってほしくない、という根強いファンの存在についてふれた方が説得力は増したんですけどね。
そのあたりまで描いた『ハゲタカ2』の登場を期待しましょう。
