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『ホカベン』弁護士のくず2が見たい

「プロボノセクション」リーダー・杉崎(北村一輝)が弁護士の仕事を投げていた理由が明らかになる7話、一週おいて9話、そして最終回の10話と続くエピソード。

7年前、強姦致傷事件で犯人・富田(大倉孝二)の弁護をしテクニックを駆使して無罪に導いたものの反省や更正のことをまったく考えなかったため報復として再び強姦を行い、被害にあった女性が自殺したというもの。それで被害者の母親が杉崎に対し損害賠償請求を行ってきたというのが今回の事件。
これで負けると弁護士が被告の弁護をする障害になり日本の裁判システムを揺るがす問題としてエムザ法律事務所は総力をあげて弁護活動を。しかし杉崎は弁護活動そのものを問題にしたいという立場。それをみて堂本灯(上戸彩)は事務所をやめて損害賠償請求側の弁護士になる。

光市母子殺人事件の弁護団と橋下徹弁護士の懲戒請求問題をモデルにしたと思われる事件で見応えがありました。『ホカベン』全体に上戸彩演じるヒロインがうろうろしているだけだとイマイチなんだけど、北村一輝の杉崎弁護士がでてくると話が締まってよくなる傾向にあります。だから豊川悦司・伊藤英明の『弁護士のくず』みたく先輩と新人弁護士がW主演だったら『ホカベン』も全体的によくなっていたんじゃないでしょうか。
最終エピソードの脚本は「脚本監修」で参加していた秦建日子が自ら脚本を書いていました。『ドラゴン桜』から『花嫁は厄年ッ!』『ジョシデカ』まで、なんか当たり外れの大きい人です。

結末は判決が出る直前までで無罪か有罪かまでは描かれず。余韻のある終わり方でした。ただエムザの盛岡所長(大杉漣)がそれまではどんな手を使ってでも勝つ、といってたのが、判決が出る直前に灯にあった時はよく戦った、今後も見守っていくよと手のひらを返していい人になったのはなんだかなー。

『ラスト・フレンズ』「死ぬのは1人とは限らない」って1人でした

結局、初期設定勝負なドラマでした。主要登場人物がすべてコンプレックスを抱えている設定は魅力的でしたが、途中ではコンプレックスが何かということが少しずつ明らかになっていくのみ。ストーリーは前に進まず同じところをグルグル回っているだけ。

連ドラではある程度繰り返しも必要ですけど、その場合も主題がAだとするとそれをある回はa、別の回はA1……というように視点、切り口を変えることによりどんどん深めていかないと。宗佑(錦戸亮)がかかわる男の子(澁谷武尊)や美知留(長澤まさみ)の美容師の先輩・平塚令奈(西原亜希)もDVを受けているらしいとかそれができる伏線はあったのにほったらかしのまんま。

最終回一つ前からようやくちょっとだけ話は進み、昔なじみのおばちゃん役出てきた時点でなんとなく安心でき(大森暁美の存在感が大きい)、表面上はホッとする形にまとめてきました。
美知留(長澤まさみ)は母(倍賞美津子)に母親に自分が邪魔だと思われているかと思ったら「あんたと二人ならがんばれる」といわれたところで救われたようだし、瑠可(上野樹里)は優勝インタビューで家族や友人に「女だからでもなく男だからでもなく一人の人間として」愛されてきたといって気持ちを整理したようで、この二人はとりあえず気持ちに一区切りつけたようです。

しかしタケル(瑛太)は最後の最後にようやく自分の過去をはなしただけ、宗佑は自殺してしまったし、エリ(水川あさみ)とオグリン(山崎樹範)は奥さんは登場しないまま、なんかよくわからないうちに結婚してしまった。最終回の予告編に誰か結婚するのかわからない結婚式シーンを入れたかったから結婚させたんじゃないのかしらん。
最後は美知留・瑠可・タケルが三人でシェアハウスも表面的には平和な終わり方ですけど、逃避しているだけといえなくもない。自分や家族と向き合って本質的に解決しないと、いずれまた問題は吹き出しそう。

6月11日発売のザ・テレビジョンには「死ぬのは1人とは限らない!?」とありました。テレビジョンが勝手にそういっているのか、フジがそう匂わせたのかは定かではありませんが、最終回でのバイク事故や出産での母体の危機といったあきれるヒッカケを見ると後者っぽいですね。ある程度視聴率をとるためにそういう展開も必要でしょうが、最終回まできてそこまでしなくてもいいのに。

途中、ストーリーが前に進まなかったことを考えると、この最終回が中盤にあって「第一部完」だったらよかったんじゃないかと思います。第二部は定番「あれからX年後」で美知留は母と同じ道をたどって他の男に走り、オグリンはエリーのところから家出などの事件を通して第一部積み残しの課題を片付けるという展開で。だからといって、こんな『ラスト・フレンズ2』はやらないでほしいけど。

『トップセールス』あれもこれもと入れ込みすぎたか

最終回まで見ましたが、幼なじみとして自動車メーカー社員(椎名桔平)とその妻(石田ひかり)、や通産省のキャリア(大沢健)、ジャーナリスト(山口馬木也)を配して、『金曜日の妻たちへ』的人間関係や日米自動車戦争、バブル経済とその崩壊などいろいろな要素を入れ込みましたが、ちょっとあれもこれもと欲張りすぎてテーマがぼけた感がありますね。

タイトル通り「セールス」に絞り込んだ方がよかったと思います。その方が男性のウケもよかっただろうし、「クルマを売ることは乗る人の未来を一緒につくること」というテーマは普遍的な価値はあります。
バブルは自動車セールスのその時代を描く上で欠かせないでしょうけど、日米自動車摩擦は本筋とは関係ないからこれは別なドラマを企画した方がいいでしょう。どうしてもいれたければ、せめてヒロインの転職先をドイツの自動車メーカーディーラーじゃやなくてアメリカメーカーのディーラーにしないと。

よけいなことをいれてしまったのは全8話とこの枠としては長すぎたからでしょうか。通常通り4〜6話でよかったと思います。
歴史を織り込むのは必ずしも悪いことではなく、2話の始めて売れたエピソードに出てきた多摩川の水害。これはドラマの名作『岸辺のアルバム』でもモチーフになってたものだけに、これが出てくるだけでオールドドラマファンとしては涙腺がゆるむのを感じます。要は使い方。

ところで槙野久子(夏川結衣)の働くディーラーは日本車時代はトヨタ・日産などの、輸入車ディーラー時代はベンツ、BMWなどのクルマをショールームにならべて各方面に気をつかってました。しかし最後に戻った日本車ディーラーのショールームは日産のもの。
そしてヒロインのモデルである林文子氏は5月から日産の役員になり、現状把握のあと6月末から東京日産の社長に就任予定なんですよね。たまたまなのか、その時点でわかっていてそうしたのか?

『週刊真木よう子 恋泥棒ヨーコ』作者はハリセンボンはるかと交際中

「毎回異なるストーリー、異なる出演者、異なる脚本家と演出家が繰りなす30分のオムニバス。全ての話数で共通するのは毎回ヒロインとして出演する『真木よう子』だけ!」というのがウリの『週刊真木よう子』。
毎回見ていますけど、深夜ドラマというよりは単館公開の映画、いや最近は単館公開でも雰囲気が変わっているから昔のマイナー映画というう方がいいか、という感じで正直「これおもしろいか?」という独特な雰囲気。
真木よう子以外の出演者と脚本家は毎回かわるけど演出はオフィスクレッシェンドの大根仁が多いのでその趣味がでているのかという感じです。

ところが第8話「恋泥棒ヨーコ」はおもしろかった。ヨーコは喫茶店のウェイトレス。しかしそれは世を忍ぶ仮の姿で実は男性客のハートを盗む恋泥棒ヨーコ。

その盗み方はまずは男性客をプロファイリングし正体を勝手に断定、正体をテーマにした自分の妄想に引きずり込むというもの。包丁を持つ最初の客(森下能幸)は包丁といえば「なまはげ」。強盗や板前ではないのか!自分は「悪い子はいねか」の悪い子。
水をくれという二番目の客(掟ポルシェ)はヘレンケラー(ワラ〜)で自分はサリバン先生。
三番目の客(宮崎吐夢)はおぼつかない日本語で「イマジン」などといってるからジョン・レノンでそれに対しては当然オノ・ヨーコ。
四番目の客(浜野謙太)はトランペットケースに「コボちゃん」を入れていたからトランペットが欲しい黒人少年ともうわけわかりません。
そして客と客との間にはなぜか太平洋戦争が敗色濃厚になって動物園の象が射殺されるというエピソードが挿入。なんで?と思ったら射殺命令を出した憲兵(遠藤憲一)が喫茶店に乱入ともはや誰の妄想なんだか。

わけのわからなさと真木よう子のウェイトレス姿(メイドではない)がかわいさが楽しい作品でした。

今回の脚本はせきしろ×からしま+おおねでこれは07年の深夜ドラマ『去年ルノアールで』と同じ。『ルノアール』は客が妄想を繰り広げるのに対して今回は店員の妄想。
「せきしろ」は『去年ルノアールで』の原作者で、ハリセンボンはるかと交際中が話題になったライター。明らかになった十日後だからタイムリーな放送のはずだけど、特に交際と絡めた話題はどこにもでてきませんでした。テレビ東京にはワイドショーがないから?

『CHANGE』HEROだって中卒で検事だ

1話は補欠選挙で衆議院に当選、2話は初議会でこの3話が総裁選で総理に。3話で総理になるのか、という見方もあります。しかし神林総務会長(寺尾聰)が本音を出してくるなど、総理になってからが本番らしい。それを考えると3話かけるのも長すぎたんじゃないか、という気がします。1話であれよあれよという間に代議士になって総理まで駆け上がって「ウッソー」「そんなことあるか!」といわせた方が、勢いがあってよかったんではないかと。いや、なんだったら冒頭がいきなり首相指名選挙だっていい。

父の不正を認めたことによる補選の勝利は納得できなくはないのですが、「みなさんと同じ高さの目線」で勝利した総裁選はどんなもんでしょうか。対立候補にはたしかにないけど、みんな持っているものだから説得力に欠けます、そしてどう考えてもそれだけでできるとは思えません。

3話かけた分だけ説明的になって、かえってその説明が嘘くさくなってます。「素人目線」は木村拓哉ドラマの定番パターンだからコアなファンにはそれでいいけど、それ以外の層を巻き込めません。勢いでキムタク総理を実現して、それで文句あるか、でよかったんじゃないですかね。『HERO』だって中卒で司法試験に通って検事になった過程を見せたわけじゃなし。

それから2話からのチュートハンパなゲストも気になります。2話の泉谷しげるは今後に意味を持つのかどうか?悩んだけど3話ででてこないところを見ると単なるゲスト。この分では菊池均也・宮地雅子の食堂の夫婦も3話だけなんだろうな、どうも役と俳優のバランスが悪くてドラマにすっと入れません。

『ハチワンダイバー』大杉漣の説得力

アキバの受け師・中静そよ(仲里依紗)プロデュースの真の真剣師との三本勝負になってようやく『ハチワンダイバー』の本領発揮という感じですね。

そよが「ホンモノの真剣は本来お金を賭けて戦うものじゃない、命の次に大切なものをかけて戦うもの」といい、第一の真剣師・神野神太郎(大杉漣)も「互いにこれだけは絶対に譲れないという意地とプライドを賭けて戦う」という。

なるほど、と思ったら、神野が賭けの対象にしたのが「そよのオッパイをもむ」というもの。なんじゃそりゃ、という設定を「お前には俺の気持ちはわかるまい」「俺にとってオッパイとはロマンだ!」と無理矢理納得させてしまうのがすごい。さすがは大杉漣、演技力が違う。「赤いシリーズ」などでみせた宇津井健の気合いが入りまくった説得を彷彿とさせる見事な怪演でした。
さらに注目は予告編後、番組最後のカットでいつもは中静そよがメイド服で小首をかしげるところが今回は神野(大杉漣)が小首をかしげさせていました(さすがにメイド服は着てない)。なかなかいいものを見せてもらった感があります。
大杉漣は前日の金曜プレステージ『奇跡の動物園2008〜旭山動物園物語』にも出演、週末のフジテレビドラマは漣におまかせか。

今回は将棋についても神野の得意技「雁木の構え」を素人にもわかるように解説しながら進行するところなど、将棋ドラマとしてまとまってきました。ただ、解説が主人公・菅田健太郎(溝端淳平)が考える頭の中の声で行われるので、なんかそれでえらく持ち時間を使っているような印象があります。周りの動きがスローモーになって時間の経過を示すような工夫がほしいですね。

『大都会PART II』西部警察との違いは高品格

スカパー!などのチャンネル「日テレプラス」、石原プロ制作の『大都会』シリーズ、第一作『闘いの日々』から『PART II』へと4月から変わっています。

『闘いの日々』は倉本聰がメイン脚本で黒岩(渡哲也)の妹(仁科明子)や恋人(篠ヒロコ)に暴力団の陰がつきまとうなど人間ドラマ色が強い刑事ドラマでした。
それに対して『PART II』は巡査部長になって現場の中心になった黒岩がショットガンをぶっ放し、新参加の松田優作の徳吉刑事が蹴り(松田優作といえばやはり「蹴り」です)、最後にはハデなアクションが展開されるとかなり性格を変えています。この後の『PART III』ではさらにアクションが強化され『西部警察』まであとちょっと、という感じになっていますが、この『PART II』がドラマとアクションのバランスがちょうどいいぐらい。そして『大都会』と『西部警察』の違いは高品格演じる丸山刑事・マルさんがいること。これが『西部警察』になると藤岡重慶演じる谷刑事になって、このキャラの差は大きい。

5月2日放送の第5話『明日のジョー』ではメインの犯人に水谷豊、加えて片桐竜次もゲスト出演。昔は「ピラニア軍団」だった片桐竜次、こんなあぶない役ばかりだったよな。『相棒』の内村刑事部長役と比べると隔世の感です。

『CHANGE』プレゼント代をケチった?

スタートを5月にスライドさせたのが話題の木村拓哉・月9『CHANGE』、初回視聴率は23%台で『ごくせん』の初回視聴率26%台に負けてます。

キムタク神話の終わりなのか、比較すれば負けてるけど、当たらないといわれる政治ドラマでここまでやってさすがというべきなのかビミョーなところです。

普通におもしろいレベルではあります。山場の最後の選挙演説で父の不正をみとめたところなどは意外性もあります(あれで逆転できるのかどうかはともかく)。しかしたまらんおもしろくはない。打倒『ごくせん』をめざすなら『華麗なる一族』レベルの超有名原作などのインパクトのある飛び道具が欲しかったところでした(『華麗なる一族』初回なら勝ってる)。

それに冒頭のものものしい始まり方など間違いなく予算をかけている割には衆議院の補選としてはショボイ選挙戦でした。たぶん中央政界とのギャップを出したかったんでしょうけど。
先日の山口二区補欠選挙したばかりでそのイメージが強いんだから、小野田幹事長(中村敦夫)、二瓶議員(神山繁)、垣内外務大臣(大林丈史)、神林総務会長(寺尾聰)らレギュラー登場人物は応援にいってドラマにかませるべきでした。支持率低迷の鵜飼首相(伊東四朗)はご遠慮ねがった方がいいですけど。

なんとしても『ごくせん』を越えるために、番組を見て答える豪華クイズ企画は絶対にやるだろうと思っていたのですが、それは予想通り。ただし豪華レベルは予想を下回ってます。「クイズは毎回、カローラフィルダー(約170万円)が当たる」と聞いて「毎回カローラフィルダーが当たるのか、さすがだ」と思ったのですが、募集要綱をよく読むと毎週あたるのはエコバックだけでカローラフィルダーは毎週と書いてない。全話を通して一台のようですね。カローラフィルダーなんだから負担するのはたぶん番組スポンサーであるトヨタ。フジテレビもそこまで予算がなかったか?

今後の展開で、気になるのは韮沢(阿部寛)、他のレギュラーは役回りが想像つくけど選挙参謀の韮沢の出番は総裁選挙の時ぐらいしかないはず。今後どうからんでいくのか?

『ハチワンダイバー』将棋ドラマにハズレなし、のはずだが

過去の経験から「将棋ドラマにハズレなし」と思っています。

古くは72年の幻の名作『天下御免』の中の1エピソード「なぜだか銀は泣いている」。江戸時代の世襲制名人に実力で挑む市井の棋士がいたが、子どもが誘拐されたため、自分が勝った将棋盤の向きを180度変えて名人が勝ったことにするというエピソード。

それから将棋好きでドラマの中でしばしば登場人物に将棋を指させているジェームス三木がそのものを描いた81年の『煙が目にしみる』、奨励会の定年30歳を迎えた瀬戸際の主人公(川谷拓三)と売れないフラメンコダンサー(根岸季衣)の下積み同士の恋愛ドラマ。96年の朝ドラ『ふたりっ子』は説明不要ですね。
00年にはコミック原作で森田剛主演の『月下の棋士』、破天荒な展開で笑わせてくれました。
01年に『聖の青春』は腎臓のネフローゼという難病を抱えながら、A級まで駆け上がるもののガンに倒れた村山聖を描き感動でした。

さて、そんな流れを受けての『ハチワンダイバー』、山場の将棋盤にダイブして覚醒するところでなんかよくわからんけどすごい!と思わせないといけないと思うけど、ちょっとCGに頼りすぎてインパクト弱いですね。『月下の棋士』はもうちょっと笑わせてくれたぞ。

連ドラ初主演のジュノンボーイ・溝端淳平の演技力もあれだけど、それを埋めるぐらいストーリーに勢いがないとね。

仲里依紗は07年の『冗談じゃない!』で見たときまでは美少女路線だったと思ったけど、『ボンビーメン』の時はえらくふつうになっていて、今回はいけてない真剣師、実は巨乳のメイド(いやメイド、実は真剣師か?)役。どこを目指しているんだろうか。それにしても真剣師とメイドが同一人物と見破った主人公はただ者ではない。
それにサンドウィッチマンの二人のマンザイそのままのキャラはなかなかいい感じです。
原作は真剣師同士の闘いだけど、ドラマは再び棋士を目指すそうで、奨励会大会後にアマチュアとしてプロを相手にいい勝負をして、フリークラス編入を果たした瀬川晶司をモデルじゃないけど、参考にしているんでしょうね。

それにつけてもなんで「ハチ」と「ワン」で訓読みと英語なんだ?語呂の問題か?タイトルは原作コミックの責任でしょうけど。なんか「アスワンハイダム」を思い出すなー。

『おせん』味の素を使ってないはず

料亭が舞台のドラマは『味いちもんめ』とか『拝啓父上様』とかいい料理をつくろうとしつつ経営はちょっと苦しい、というパターンが定番。
しかし一升庵は違います。素材を余すことなく使いつくすため、手間をかけるかける。さらにぽんと二百万の水桶を買えるとかなりの資金を持っているようです。
客もたまらん多いとは思えないから、あの周辺の土地持ちであるとか資産が相当ないと経営できないよな〜。そんなことを心配しながら見るドラマではないとは思うけど。

ただ冒頭のナレーションで「だがこの店もいずれ時代の波に押し流されていくのか?」といわれているところを見ると最終回あたりでは経営問題が唐突に浮上してくるかもしれません。
ただし英語で「便利で豊かな国……ニッポン」といわれる筋交いはないと思う。『ギャルサー』など日本テレビのドラマはあんなのが好きね。

「スローフードなんてことを軽々しく語るようなやつは信用しない方がいい」という大女将(由紀さおり)のいうことはまことにもって正しい。半可通でしったかぶりをしてるような奴は使えない若者、どこかでみたことがあるな、と思ったら『バンビーノ』でした。そうか『バンビーノ』の日本料理版として見るのが正しいのか。

ところでスポンサーの一番手は味の素。一升庵は絶対に味の素は使ってないと思うが。

『猟奇的な彼女』根本的に問題

SMAP20周年ということでフジ月9は香取慎吾『薔薇のない花屋』、木村拓哉『CHANGE』、そして10月からは中居正広だといわれています。対してTBS日曜劇場は稲垣吾郎『佐々木夫妻の仁義なき戦い』ときて草なぎ剛。

どうもメンバーの割り振りがフジ月9の方が「表」なのに対して日曜劇場の方は「裏」ぽい。『佐々木夫妻』は見るとそこそこおもしろかったように思えるのですが、視聴率は初回のみ17%台と高かったけど、そのあとは10%前後をうろうろ。

でっ、『猟奇的な彼女』、初回からさっぱりおもしろいと思えません。「クララが山羊の足をつかんでグルグル振り回してる」とかTBSが映画・ドラマで制作したセカチューのパロディとか後半の「ただし条件がある」数珠つなぎとか、笑うところなんだろうけど、さっぱり笑えません。

個人的な好みの問題かとも思ったけど初回視聴率は『佐々木夫妻』より低く13%台。世間様の判断も似たようなもののようですね。どこが悪いとかそういう問題ではなく根本的なところが間違っているような気がします。

大ヒットした映画からなんでこんなのが作れるんだろう?不思議だ。

『ごくせん』横綱相撲

第2シリーズから三年たって、まだ『ごくせん』のパターンが通用するか、古くなってないかどうか不安でしたが、杞憂でしたね。仲間由紀恵、生瀬勝久などのこれまでのレギュラーが引っ張り、新レギュラーも世界観になじんで全体に生き生きとして初回からキャラクターがよくうごいてドラマを引っ張っています。シンプルなメッセージをわかりやすく伝えて安心して見られます。

俳優的に気になるのは理事長役の江波杏子。若い頃は任侠映画で売れてただけに単なる理事長ではおさまらないような。中盤あたりに理事長メインのエピソードを期待したいところ。また古典の教師・牛島豊作役の佐藤二朗の滑舌が悪いのが気になります。歯の治療中か?

数少ない不安点は生徒役ナンバー1の高木雄也(Hey!Say!JUMP)の魅力でしょうか。こういうのは女性が判断すべき問題でしょうが、第2シリーズの赤西・亀梨に比べると落ちるような。もう一人のナンバー1・三浦春馬は実績あるし、この二人につぐ4人もポジションを考えると問題なさそうですが。

それに気になるのはヤンクミのジャージ。最初はいつもの赤いジャージでしたが、その後おしゃれなのを2パターン。仲間由紀恵もビッグになっていつものばかりは着れないのか?

ところで白金、黒銀、赤銅と金銀銅をすべて使ってしまうとパート4はできるんでしょうか。他の金属を無理矢理使う?

『ROOKIES』男中心で画面が殺伐

『ごくせん』と同日スタート、不良をスポーツを通して更正させるのは『スクール☆ウォーズ』的、主人公が現国の先生で国語的に説教するのは『金八先生』的、夢を応援するのは『フルスイング』的といろんな学園ものパターンを集めてます。
国語的説教がモンテルランや「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや」、井伏鱒二『山椒魚』を持ち出すところなどはオリジナルを超えているような。

見てわかった問題は不良の男子生徒を集めて、先生まで男だとあまりに画面が殺伐としすぎることですね。『スクール☆ウォーズ』ではOKでしたが、あの時代だったら通用したのか、それともテレビ映画とビデオドラマの違いなのか、ともかくつらいですね。女生徒メインの村川絵梨やマドンナ先生の吹石一恵、インターネット投票で選ばれた高山都がいても焼け石に水。女教師主人公の『ごくせん』は正しかった!

これは原作を改編して主人公を女教師に変えるしかないですかね。「『ごくせん』のマネだ!」といわれるでしょうがその時は「『はいすくーる落書』(斉藤由貴主演で的場浩司や保坂尚輝が不良学生役)が元だ!」と開き直ることにして。
女性主役にするならガダイのいい女優、米倉涼子あたりが適任でしょうか。『交渉人〜THE NEGOTIATOR〜』では城田優、高岡蒼甫と共演しているし。

吹石一恵は『フルスイング』の剣道部顧問に続いての空手部顧問。高校教師役は『山田太郎ものがたり』から連ドラ三作連続。なんでも最近のドラマでの目標は「先生役を極める」だそうです。極められるかもしれんなあ。

『パズル』ゆうまいと思えどXXの寒さかな

最初の暗号「I were no way. you can no walk. She kill really.」をベタに日本語的に読み「岩の上、洋館の奥、仕切りあり」というギャグを笑えるかどうかがこのドラマを見ておもしろいと思うかどうかの分かれ目でしょうね。
「You might or more head Today's some fishes 」や「You might think today's some fish 」が「ゆうまいと思えど今日の寒さかな」的ギャグですね。率直にいって「なるほど」と感心はしましたが、笑うほどのもんでは……

「そうは見えないけど三十代」というヒロインのキャラクターも石原さとみを少しでも目立たせようと考えた設定でしょうが、二十代前半の石原さとみではしばしばその設定を忘れてしまいそうになりました。「貧乳」といわれた『TRICK』仲間由紀恵みたいに若そうに見えるけど実際に三十代の女優が捨て身で演じる設定ですね。伊東美咲、観月ありさ、菅野美穂……一番似合いそうなのは深津絵里か?

ところで『フルスイング』『鹿男あをによし』に続いて剣道部が登場。剣道ブーム?
このドラマについては1月に中央教育審議会の「学習指導要領の改善について」で武道義務化が答申された影響があるかもしれません。

『ホカベン』シリアスだけどリアルじゃない

原作コミックの原作(原作の二乗でややこしいけどそうとしか書きようがない)が弁護士で乱歩賞作家の中嶋博行だということで、ストーリーはちゃんとしているんだろうとそこは安心していましたが甘かった。第一の事件から無茶苦茶ではないですか。

新人弁護士の堂本灯(上戸彩)が、夫からのDVのため娘を連れて家を出た享子(富田靖子)の離婚訴訟を担当したけど、やるべきことをやってないから娘を奪われるわ、取り返そうとした享子は夫を刺して傷害で捕まるわ。

主人公も悪いがひどいのは上司の杉崎(北村一輝)とパラリーガルのしおり(戸田菜穂)。二人が依頼をすべて断ろうのに反発する灯に対して、現実を知るために実務を担当してもらった方が、としおりが提案し杉崎は「おれは手伝わないぞ」と尻ぬぐいをしない。こんなのに巻き込まれた依頼人は気の毒としかいいようがない。
シリアスタッチを気取っているけどまったくリアルじゃありません。このストーリーを成立させるなら、主人公は弁護士事務所に就職できなくて一人で活動を始めるという設定じゃないと。
それにこのシリアスタッチで『ホカベン』という癒し系な雰囲気のタイトルはいかがなもんでしょうかね。タイトルにひかれてみた視聴者はひっくりかえりそうです。
原作コミックもこんなはなしなんでしょうか?

依頼者役の富田靖子、ぱっと観たときはどこかで見たけどなんて女優だっけ?としばらく考えてしまった。役へのはまり方は見事だけど、女優オーラを消しすぎ。それにあまりの演技の重さにドラマ全体の雰囲気もそれにひきずられて暗くなりすぎたような。

大手事務所の中で小さい事件を担当する、という弁護士ドラマではユースケ・サンタマリア主演の『花村大介』がよかったですね。これは大手事務所もつきあいで小さい事件も引き受けなくてはならないけど、優秀な弁護士を使うのはもったいない。そのため三流弁護士の花村大介(ユースケ・サンタマリア)を雇って担当させるという設定。コミカルな雰囲気だけど扱う事件はリアルでした。
制作の関西テレビに大阪弁護士会の副会長から「普通の弁護士ドラマは刑事弁護士が刑事まがいの捜査をして嘘くさいけど、このドラマは民事を扱っていて現実に近い」という投書が来たぐらいで。

『絶対彼氏』無償の愛vs.ケンカするほど仲がいい

恋人型ロボット・天城ナイト(速水もこみち)をめぐる恋愛ドラマという無茶な設定のわりには以外にしっかりしたドラマで破綻なくストーリーが展開していきます。

こうなるとヒットするかどうかはこの恋人型ロボットからの無償の愛(なんか東海テレビ昼ドラみたいだな)、というのが女性が望んでいるものかどうかということがポイントになります。『花より男子』『花ざかりの君たちへ』などイケメンたちがヒロインのことを心配してくれるパターンが流行ってますけど、それは無償の愛じゃなくて、古典的な「ケンカするほど仲がいい」パターンです。まてよ、そちらのパターンは浅元創志(水嶋ヒロ)の方が担当して、経験をつんで人間らしくなるナイトと今はドラ息子だけどそのうち仕事にもめざめるだろう創志、梨衣子(相武紗季)がどちらを選ぶかというのがテーマなんでしょうか。それはありかも。

ところでASAMOTOの先代、飾られている写真が山田明郷なのがなんか気になります。設定によるとすでに故人のはずですが写真のみではもったいない。回想シーンで出演するのか?

しかしキャスト序列は速水、水嶋、相武の順ですが、見終わって誰が主人公かというとどうみても相武紗季だよなー。この順番は事務所の力としかいいようがありません。

『トップセールス』原案じゃなくて資料提供

昭和49年から女性の自動車トップセールスマンを描く、と聞いて「それってダイエー会長だった林文子氏がモデルじゃないの?」と思ったけど事前にそういう話題がないので不思議に思ってました。林文子(1946年生)、東洋レーヨン(現:東レ)、松下電器産業、立石電機(現:オムロン)に勤務した後、ホンダオート横浜で自動車セールスに転じ成功。その後VWとBMWの販社社長を経て05年にダイエーCEO。
主人公の槙野久子(夏川結衣)も興亜化繊のOLからミヤケモータースの販社に。その後、外資系の輸入車ディーラーの社長になるそうですから、そのまんまなのに「原案」と出てきません。エンディングタイトルバックに注目すると林氏は「資料提供」として名前があがっていました。
ドラマはヒロインのセールス活動の苦労とともに幼なじみ5人との人間関係、恋愛模様が描かれるようで、原案とするにはオリジナル展開が多くなりすぎたんですかね。
NHK土曜ドラマ枠は今年初めの『フルスイング』や昨年の『人生はフルコース』など実在の人物をモデルにしておもしろいドラマをつくってきただけに期待したいところです。

主役の夏川結衣は同時に放送中の『無理な恋愛』の売れない女優(35歳)でも年齢的に行き詰まっている女性役。現代は40前後つまり『Aroud40』がラインですけど、昭和のころの24,5才がラインだといわれていた時代ですね、ドラマ中にも「クリスマスケーキも24過ぎたら終わり」といわれていました。ちなみに間を埋める90年代は『29歳のクリスマス』で29歳。

夏川結衣は若い頃はかなり美人だったんですけど(仲間由紀恵の前に夏目雅子を演じたぐらい)、美人過ぎて売れない感がありました。ブレイクしたのは三十前の『青い鳥』から。

他のキャストでは販社社長役の蟹江敬三がいかにもやり手営業マンぽくてあってます。
ミヤケモータース、頭文字の「M」をあしらったマークですけど、今のマツダマークに似ているような。

『キミ犯人じゃないよね?』安っぽいのはわざとか

オープニングから安っぽさがにじみ出てます。セットはたぶんなかったんじゃないか?ほとんどロケですましているし、キャストもメジャーなのは渡辺いっけいとゲストの黒谷友香と特別出演の升毅。
最初、出先でアナログ放送を見たらものすごく安かったのですが、帰宅して地デジ録画を見直したら「ものすごく」は撤回、普通に安っぽかった。

実際に制作費安いから安っぽいのか、それとも狙いなのか?冒頭で商店のおばちゃんと値段対決する時の「黒毛和牛バラ切り落とし30円引き」という絵がダイエーのCM風だったので狙いなのかもしれませんが、単なる開き直りなのかも。

記憶力がいいからといって暗記力がいいわけじゃない、それで貧乏しているというのは納得。写真のように情景を記憶しているんだろうけど、それが役に立つ職業というと交通量調査員とか日本野鳥の会とか間違い探しパズルとか、あんまりもうかりそうなのは思いつきませんね。

ヒロインの記憶力はそういう能力があるということでいいとして、推理力まで高いことについては「推理作家のタマゴとしてトリックを考えるのは得意なんだが文章力がなくて作家にはなれない」とかの理由付けが必要じゃないですかね。

まあ、金曜ナイトドラマ枠らしく気楽に見る分にはいいけど『TRICK』『時効警察』の線には遠く及ばずという感じでしょうか。定番の「過去の秘密」もあるようですけど、あくまでオバカ展開に徹した方がいいような気がします。

『Around40』ドラマの中に統計を生で出すな

40歳前後の女性は社会的にも、またドラマをよく見る層であることからもいいと思います。しかし冒頭でナレーションとともにグラフを出されるのはいささかズッコケさせられました。グラフは冒頭だけじゃなく結婚相談所でも出てきましたが、ドラマの中で統計データは消化してドラマのストーリー、セリフの中で違和感なく説明してくれないと情報番組を見ているような違和感があります。

またヒロイン・緒方聡子(天海祐希)が精神科医なんだから一回ごとに患者の問題を解決して、それにリンクしてヒロインの問題も進んでいくようにしてくれないと。その方がテーマも深まるし、現状ではヒロインがあまりにお気楽で真剣に仕事しているようには見えません。

過去の経験からいってドラマの中で統計の数字を持ち出すというのはだいたいイマイチな作品ですね。データは消化してドラマのストーリー、セリフの中で違和感なく説明ないと。

まあ今週は序章で、相手役の臨床心理士・岡村(藤木直人)が同じ職場になり来週から本番でしょうからそれに期待しましょう。

『ラスト・フレンズ』親切に説明するオープニング

主要登場人物がそれぞれ問題を抱えているこのドラマ。オープニングタイトルバックの人物紹介のところで英単語でそれぞれの問題が暗示されています。藍田美知留(長澤まさみ)がLove・愛、岸本瑠可(上野樹里)がLiberation・解放、水島タケル(瑛太)がagony・苦痛、滝川エリ(水川あさみ)がsolitude・孤独、及川宗佑(錦戸亮)contradiction・矛盾。

及川宗佑が一番わかりやすい、同棲を始めた恋人・美知留にDVをふるい、一方で区役所の児童福祉課勤務でDVを受けているらしい男の子(澁谷武尊)を守ろうと矛盾。きっと親からDVを受けた傷でそうなっているんでしょうね。
美知留は親が離婚して母(倍賞美津子)に育てられたけど、母には男がいて娘に対しては金さえ入れてくれればそれでいいという態度で親の愛が不足しているんでしょう。
タケルはゲイぽいけど女性が苦手で苦痛なんでしょう。
瑠可は素直に受け取ると性同一性障害ですが、いまさらそれを目玉にするのもインパクトとしては欠けるような気がするのですが。
エリの問題はあまり描かれませんでしたが、友だち多そうなわりには孤独。

美知留・瑠可・タケルの三角関係がメインになりそうですが、この精神状態では超ややこしい三角関係になりそうです。タイトルバックに戻ると問題を暗示している英単語が赤い糸に変わってお互いにからまって、とテーマを説明してくれてます。

瑠可がモトクロスをやっているという設定がドラマとしてはめずらしいですね。一番最初に発表された時には「輝かしい成績を残す」という設定だったはずですが、放映されたものでは駆け出しになってました。協力はヤマハ系のチーム。番組スポンサーに三菱自動車がついているから、ホンダ・スズキの自動車もつくっているところは使えないからでしょう。ただヤマハもトヨタ系だし、まったく関係のないカワサキを使った方がよかったような。

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